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2011年10月28日金曜日

ジョブズの伝記は電子書籍の試金石

 分厚い書物を最初から丹念にページを繰って読み進める。少なくともほんの少し前までの読書はそうだった。電子書籍がちょっと話題に なって、いろいろな端末で読書を楽しめるようになったけれど、なかなかリーズナブルな環境を得ることができず、そのままになっていた。だが、ジョブズの伝 記という格好のコンテンツが出版され、もう一度、電子書籍を試してみようと思い立った。
●電子書籍再び
紙の書物はモビリティが低い。グーテンベルクやアルダスが 聞いたら怒られそうだが、実際にそうなのだから仕方がない。ぼくが最後に読んだ分厚い本は「フェイスブック 若き天才の野望(5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)」(2011年 日経BP)だった。これは、Sony Readerで読んだ。アマゾンで調べてみると544ページもある。計ってみたわけではないけれど、相当の重量があるはずだ。この分厚い本を、紙の書籍で 読むのは嫌だと思った。だから、迷わず、Sony Reader用の電子書籍を購入した。
今回も同じだ。ジョブズの伝記「スティーブ・ジョブズ」(2011年 講談社)は、IとIIの分冊でIが448ページ、IIが342ページある。これまた持ち歩いて読むのは難しそうだし、IIを読んでいるときにIの記述を読み返したいと思うこともあるかもしれない。
だから、迷わず手元の初代Sony Readerで読むことにして、ReaderStoreで 購入して読み始めた。今までいくつもの電子書籍リーダーを試してきたし、iPadやAndroidタブレット、さらには、スマートフォンなど、いろいろな 端末で本を読んでみたが、テキスト主体のモノクロコンテンツなら、個人的にはSony Readerが今でも一番読みやすいと思っている。やはり明るければ明るいほど読みやすいという紙と同様の性質を持っていることが大きいと思う。
購入して読み進めているうちに、結構おもしろくなって、少しずつでも空き時間ができるたびに読んでみたいと思うようになった。簡単な話だ。Sony Readerをいつも携帯すればいい。でも、それがなかなか難しい。
そこで、ちょっともったいないとは思ったのだが、もう1冊電子書籍を買って、AndroidタブレットやiPad、さらにはPCでも読めるようにすることにした。ちょうど、マルチデバイス対応を謳う 紀伊國屋書店がKinoppyストアでの電子書籍配信において、 Sony Readerへの対応をアナウンスしたばかりだった。
このサービスで購入した電子書籍は、Windows PC、Android端末、iOS端末、そしてSony Readerという4つのプラットフォームで読むことができる。これなら好きなときに好きな端末で本を読み続けることができるはずだ。これからは同じコン テンツがあるなら、ここで買おうと思ったし、最初からそうすればよかった。ちょっと反省だ。
●想像以上に便利なKinoppyのマルチデバイス対応
同じ本を2冊以上購入するというのは、紙の本の時代にもまれにあった。たとえば辞書などのリファレンス類は、仕事をする場所ごとに同 じものを買いそろえておくのが常だった。インターネットが使えるようになって、そういうことはしなくなったが、まあ、このあたり、物書きを職業としている なら当たり前的なことじゃないかと思う。
リファレンスはともかく、最初から最後までを順に読むことが前提の小説やノンフィクションもののコンテンツでは、それを複数の環境で 読み進める場合、「どこまで読んだか」を把握するのがなかなか難しい。紙の本であれば栞をはさむわけだが、同じ本が複数冊ある場合は、1冊目にはさんだ栞 位置が2冊目においては役にたたない。紙の本なら、アナログ的にパラパラとページを繰り、だいたいの位置に、けっこう短時間でたどりつけるが、これが電子 書籍となると大変だ。
だが、Kinoppyは、マルチデバイスを謳うだけあって、このあたりがきちんと考えられている。「同期」という概念で、最後に読んだ位置をクラウド側で覚えておいてくれるのだ。
Kinoppyで本を購入すると、端末側が持つ本棚にそれが格納される。複数の端末にアプリをインストールしている場合は、すべての 端末の本棚に格納される。そして、適当な端末でそれを開いて読み始める。読書を中断し、本を閉じて書棚に戻ると、最後に読んでいた位置がクラウドに送られ るようになっている。これが「同期」だ。
別の端末の本棚で同じ本を開くと、さっきの端末で読んでいたページが開かれる。ただし、開く前に必ず手動で同期の作業が必要になる。また、「マーク」としてコンテンツ内の任意の位置にマーキングができて、それを記憶させることもできる。これも便利だ。
ただし、この同期ができるのは、AndroidとiOS端末間だけで、PCやSony Readerではそれができない。だから、今、ジョブズの伝記を、電車の中ではスマートフォンかAndroidタブレット、自室ではiPadで読み進めて いる。この機能があるとないでは効率が大違いだからだ。
●レベルが低すぎるアプリの実装
便利この上ないし、志も高いKinoppyだが、アプリのレベルが低すぎる。本棚といってみたり、ライブラリといってみたり、用語の統一すらきちんとできていないし、同期するタイミングに関しても検討の余地がありそうだ。
同期のタイミングは、本を閉じてライブラリ(すなわち本棚)に戻ったときと、ライブラリが表示されているときに手動で同期したとき だ。つまり、本を閉じて書棚に戻す作業が必要になる。だが、日常的に電子書籍を読んでいると、なかなかそれができない。AndroidやiOSではアプリ を終了させるという概念が希薄なことも影響しているが、開きっぱなしの状態にしてしまうことがままある。
そうすると何が起こるかというと、端末Aで中断した読了位置を同期させ、端末Bでその続き50ページ分を読み進めたところでまた中断 し、ついうっかり本を開いたままにして、端末Aで続きを読もうとする。当然、開くのは端末Aでの以前の読了位置で、50ページ分さかのぼることになる。だ から手動でさっきまで読んでいたところを探し出さなければならない。
アプリの起動時と終了時、そして、書棚の本を開く前には必ず同期するようにするなどすれば、回避できる部分もあるのにと思うとちょっと残念だ。
また、細かい操作などでも、iOSはともかく、Android版では、OSの作法的なものから逸脱している部分がたくさんあって操作に戸惑いを覚える。本棚から書物を削除するときの操作などは再考の余地がある。
PC版のクライアントはもっとひどい。同期できるのはコンテンツを所有しているかどうか、つまり本棚の中身だけで、読了位置の同期は できない。また、表示に関しては、マルチディスプレイのことをまったく考慮していないようで、メインディスプレイ以外では、最大化時の表示がおかしくなっ てしまう。
また、電子書籍ならではのリフローや文字サイズ、フォントの変更もきかない。ただ、これには裏技があって、解釈メニューで個々の要素 を無効にすることで、これらの変更が反映されるようになる。それならそれで、解釈メニューで無効にしないと反映されない旨のメッセージくらいは出すべき だ。既定のフォントは表示があまりにも汚いので、変更して読みたいのだが、起動するたびに設定のやり直しが必要で、あまりにもめんどうだ。きっとコンテン ツビルダーへの配慮だと思うが、せめて設定値の記憶くらいはしてほしいものだ。そんなわけで、あまりのアプリのひどさに、PCでコンテンツを読むのはあき らめてしまった。
さらに、同期は書棚に格納された本に対して行なわれる。端末Aで書棚の本を削除すれば、すべての端末でその本が削除される。もちろん 再ダウンロードができるので、削除してももう1度ダウンロードすれば復活するのだが、それもすべての端末で復活する。このあたりの仕様も、もう少しスマー トな方法があるんじゃないだろうか。
●コンテンツが世界を変える
それでも複数の端末を渡り歩きながら、同一のコンテンツをシーケンシャルにシームレスに読んでいけるというのは想像以上に便利だ。ア マゾンのKindleではすでに実現されていた機能だが、ようやく日本の電子書籍でも、こうした機能が実装されはじめたことはうれしい限りだ。まだまだバ グも多く、端末の制限台数もはっきりしない。最初にPC、次にAndroidスマートフォン、Androidタブレット、さらにSony Reader、iPod touch、iPadとコンテンツを同期させ、もう1台PCでと思ったところで、ライセンスの台数制限にひっかかって表示ができなくなってしまった。時間 をおいてもう一度というメッセージが出るが、時間がたっても同じだ。ログイン、ログアウトとも関係ないようで、この仕様をどうすればうまくコントロールで きるのかは、未だに謎に包まれている。
サポートのレスポンスも最悪だ。仕方がないので紀伊國屋書店の広報に尋ねてみたのだが、そこでも回答は得られない。サービスとして は、お粗末そのものだし、アプリの実装に関しても褒められる部分はまったくない。志の高さは認めたいし、それに恥じないように作業を進めてほしい。少しず つでいいから頻繁なアップデートで対処していってほしいと思う。
奇しくもジョブズの伝記という象徴的なコンテンツで、久しぶりに電子書籍を堪能している。少なくとも、電子書籍での配信がなければ、 この伝記をきちんと読もうとは思わなかっただろう。きっと、このコンテンツが久しぶり、あるいは初めての電子書籍だという読者も少なくないと思う。死して なお、この影響力というのは、ある意味すごいことだ。
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(2011年 10月 28日)

米HP、PC部門を維持

10月27日(現地時間) 発表



 米Hewlett-Packardは27日(現地時間)、PC部門を会社の一部として維持していく方針を明らかにした。
同社は8月に構造改革を発表し、PC部門(Personal Systems Group:PSG)の今後について「分社化して独立させる可能性もある方向性で、構造改革を検討する」とアナウンスしていた。
しかし構造改革の検討と分析の中で、PSGはHPのモデルや価値を実現する重要な部門で、ほかのビジネスを牽引する役目であり、顧客/株主/従業員にとってHPの一部門として維持する方向性が正しいと認識された。
HPのPSGは2010年度に407億ドルの売上げを計上し、世界1位のシェアを獲得している。
(2011年 10月 28日)

ユーエーシー、Ducky Channel製のゲーミング向けキーボード

DK-9008G2シリーズ
11月5日 発売
価格:オープンプライス



 ユーエーシー株式会社は、Ducky Channel製のメカニカルゲーミングキーボード「DK-9008G2 Shine」を11月5日に発売する。価格はオープンプライスで、店頭予想価格は17,500円前後の見込み。対応OSはWindows 2000/XP/Vista/7。
Cherry製MX黒軸を採用したゲーミングキーボード。メタルプレートを内蔵し、安定した打鍵感を実現した。ゲームユーザー向けの機能として、PS/2接続時のキーの反応速度を4段階に調整する機能を搭載する。
また、各キー内部にLEDライトを内蔵し、4つの発光パターンとON/OFF、輝度調整が可能。LEDは独自技術設計による構造で、入力時のLEDライトへの負担はないという。
キー配列は108キー日本語。インターフェイスはUSBで、PS/2変換コネクタが付属。本体サイズは442×140×41.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は1.2kg。ケーブル長は1.5m。
なお、DK-9008G2 ShineからLEDライトと反応速度調節機能を省いた「DK-9008G2」も同時発売する。店頭予想価格は15,850円前後の見込み。
(2011年 10月 28日)

パソコン工房、Core i7-2700KとGTX 570搭載ゲーミングPC

Amphis BTO GS7020iCi7G TYPE-SRX2(ディスプレイ別売)
10月28日 発売

価格:109,980円~



 株式会社ユニットコムは、ゲーミングPC「GS7」シリーズからIntel最新のCore i7-2700K(3.50GHz)を搭載する「Amphis BTO GS7020iCi7G TYPE-SRX2」を発売した。
標準構成は、Core i7-2700K、メモリ4GB、HDD 1TB、Intel P67 Expressチップセット、GeForce GTX 570ビデオカード、DVDスーパーマルチドライブ、Windows 7 Home Premium(64bit)、80PLUS認証600W電源を搭載し、価格は109,980円。
発売記念として、初回20台のメモリを8GBに無償アップグレードする。
本体サイズは約200×497×435mm(幅×奥行き×高さ)。
(2011年 10月 28日)

日本AMD、FX-8150/8120リテールボックスを11月4日に発売~FX-8150の空冷版も24,800円で11日より発売

11月4日より順次発売
価格:18,800円~33,800円



 日本AMD株式会社は、8コアのハイエンドCPU「AMD FX-8150」、「同FX-8120」リテールボックスの発売日を11月4日に決定した。
10月12日の製品発表時、10月下旬より順次発売とされていたが、その後秋葉原で開催されたユーザーイベントで8コア製品のリテール ボックスの発売が遅れることが明らかになった。その後、ショップブランドPCのみ先行発売されていた。今回、リテールボックスの発売日が決定した格好とな る。
価格は、FX-8150の水冷クーラーバンドルモデルが33,800円、FX-8120の空冷クーラー通常版が18,800円。なお水冷クーラーバンドルモデルは日本限定の500個のみの発売とされている。
あわせて、FX-8150の空冷クーラー通常版も11月11日より発売すると発表した。価格は24,800円。
FX-8150の基本周波数は3.6GHz、Max Turbo時は4.2GHz。FX-8120はそれぞれ3.1GHz/4GHzとなっている。TDPはいずれも125W。
(2011年 10月 28日)

スマートフォンを100ドル以下にするARMの新CPU「Cortex-A7」

ARMが新CPU「Cortex-A7(Kingfisher:キングフィッシャ)」の概要 を米サンタクララで開催中のARMの技術カンファレンス「ARM Techcon 2011」で発表した。Cortex-A7は、ARMv7命令セットのCPUファミリ「Cortex-A」系の5番目のCPUコアだ。28nmプロセスを 最初の実装のターゲットにしており、2013年頃に市場に登場する見込みだ。
Cortex-A7の特長は、そこそこの性能を、極端に小さなコアと消費電力で実現できること。2命令デコード&イシューのイン オーダパイプラインで、最高1.2GHzで動作し、マルチコアもサポートする。命令セットと機能の点では、Cortex-A7はARMの最先端コアの Cortex-A15と同等だ。
ARMは、Cortex-A7を使って、100ドル以下の廉価版スマートフォンの市場を立ち上げることを目指している。Cortex-A7デュアルコアで、現在のスマートフォンと同等クラスの性能を100ドル以下のレンジにもたらす計画だ。
また、ARMは、Cortex-A7コアを、高パフォーマンスのCortex-A15コアと組み合わせた「ヘテロジニアス (Heterogeneous:異種混合)マルチコア」の構成も提案している。この構成では、高負荷時にはCortex-A15を、低負荷時には Cortex-A7を使うことで、ハイエンドのスマートフォンやタブレットのバッテリ駆動時間化を伸ばすことが可能になる。「big.LITTLE Processing」と呼ぶこのコンセプトで、ARMはOSがシームレスにコア間を移行できる仕組みも整える。
Cortex-A7の特徴 Cortex-A7のターゲット

●2011年のハイエンドスマートフォンの性能を2年後に100ドルに
Cortex-Aシリーズのラインナップ
ARMのCPU群の中で、スマートフォンなど比較的高パフォーマンスの携帯機器をターゲットとするCortex-Aファミリには、最初の コアであるCortex-A8、高パフォーマンス&マルチコアのCortex-A9、ローコスト&超低消費電力のCortex-A5の3 系統がある。来年(2012年)には、ハイエンドのCortex-A15がこれに加わる見込みだ。iPhoneで説明すると、iPhone 3GS/4がCortex-A8シングルコア、iPhone 4SがCortex-A9デュアルコアだ。それ以前のiPhoneはARM11系だった。

Brian Jeff氏
5番目のコアであるCortex-A7のコンセプトは、Cortex-A8クラスの性能をCortex-A5クラスの電力とコストで実現 すること。「今日のメインストリームスマートフォンに使われている40nmのCortex-A8と比べると、28nmのCortex-A7は20%パ フォーマンスが高い。多くのベンチマークでCortex-A8に勝るという結果が出ている。しかし、電力は60%も低い」とARM TechconでCortex-A7の説明をしたBrian Jeff氏(Product Manager, ARM)は語る。

Cortex-A7の効率性とフットプリント ミドルレンジ向けARMコアの消費電力比較
ラフに言えば、iPhone 3GS/4クラスの性能を、ローエンドの携帯電話のCPUの消費電力とコストで実現できることになる。また、Cortex-A7のコストは非常に安いた め、100ドル以下のローエンドスマートフォンでもデュアルコア化が可能だ。今年(2011年)のハイエンドスマートフォンに匹敵する性能レンジを、 2013年には100ドルに引き下げることができることになる。
Jeff氏は「Cortex-A7が、フル機能を持ちながら低価格なスマートフォンの市場を開く。2015年には3億4,000万台の低 価格スマートフォンが出荷されるという市場予測もある」と指摘する。スマートフォンが年間に数億台ずつ出て、携帯電話を全て置き換え始める時代のための CPUが、Cortex-A7という位置づけだ。
低価格スマートフォンでデュアルコアを実現 ベンチマークの比較

●わずか0.45平方mmのCPUコアサイズ
Cortex-A7のダイサイズ
Cortex-A7が低コストであるのは、ダイエリアが小さいからだ。Cortex-A7のシングルCPUコアの面積は、28nmでわず か0.45平方mm。Cortex-A7が、どれくらい小さいかは、現在の他のモバイルCPUコアと比べるとわかる。下の図は、同じARMの Cortex-A9コア、それにAMDのBobcat(ボブキャット)コア、IntelのAtom(Bonnell:ボンネル)コアを比較したものだ。 Cortex-A7が冗談のように小さいことがよくわかる。

ARM Cortex-A9/A7とAtom/Bobcatのサイズ比較
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もっとも、この図は公平なチャートではない。Cortex-A9とBobcatは40nmプロセスで、IntelのBonnellは 45nmと、プロセス世代が揃っていないからだ。また、Cortex-A9はデュアルコア構成で、他のコアはシングルだ。BobcatとBonnellは L2キャッシュも含んでいる。これを、もう少しわかりやすくしたのが下の図だ。
CPUコアのみのサイズ比較
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同じプロセス技術に揃えるなら、BobcatとCortex-A9のコアのサイズは半分になり、Bonnellのサイズは半分よりさらに 小さくなる。しかし、それでもCortex-A7のサイズには遠く及ばないことがわかる。Cortex-A9を28nmに移行しても、Cortex-A7 より2.5~3倍のサイズのコアになると推定される。x86系CPUコアでは、今のところサイズでは太刀打ちしようがない。
これを搭載デバイスで比べると、一番下のBonnellはこれまでのネットブック、上から2つ目のCortex-A9は現在のハイエンド スマートフォン、そしてCortex-A7は2013年のローエンドスマートフォンとなる。現在のスマートフォンのチップは、性能を上げるために大型化し ておりコストが上がる傾向にあるが、Cortex-A7ではそれをリセットできる。
●効率を追求したCortex-A7のパイプライン
Cortex-A7が、小さなダイで、比較的高いパフォーマンスを実現できる理由を、ARMは効率の高いマイクロアーキテクチャを開発したことだとしている。
Cortex-Aファミリは、ローエンドのCortex-A5が1命令デコードでインオーダ実行、現在のミッドレンジのCortex- A8は2命令デコードでインオーダ実行、現在のハイエンドのCortex-A9は2命令デコードでアウトオブオーダ実行、来年(2012年)のハイエンド のCortex-A15は3命令デコードでアウトオブオーダ実行となっている。インオーダ実行よりアウトオブオーダ実行の方がパフォーマンスは高くなるが 電力効率は落ちる。デコード命令数が増えるほど1クロック当たりのパフォーマンスは高くなるが、やはり電力効率は落ちる。
Cortex-A7は限定された2命令デコードでインオーダ実行のパイプラインを取る。2命令デコードでインオーダという点は Cortex-A8と同じだが、Cortex-A7は限定された2命令デコードだ。基本のアーキテクチャの複雑度的には、ローエンドのCortex-A5 より複雑だが、Cortex-A8より簡素となっている。
Cortex-Aファミリのアーキテクチャ
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しかし、内部のパイプラインを見ると、実際にはCortex-A7とCortex-A8では、大きく異なっていることがわかる。下が Cortex-A7のパイプラインのスライドと、そこから図に起こしたものだ。整数演算でのステージ数は8ステージ。実行ユニットは、整数ALUと乗算ユ ニット、浮動小数点(FP)/NEON SIMD(Single Instruction, Multiple Data)演算ユニット、ロード/ストアユニット、そしてデュアルイシュー(2命令発行)時の実行ユニットとなっている。「デュアルイシューパイプライン はコモンなシンプル命令しか実行できない。実際にはデュアルイシュー時だけに使われるユニットではなく、通常のパイプラインで使う機能も含まれる」と Peter Greenhalgh氏(Cortex-A7 & big.LITTLE Technical Lead, ARM)は説明する。
Cortex-A7のブロックダイアグラム
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Cortex-Aシリーズのパイプライン
ARMは、Cortex-A7のデュアルイシューの思想について、次のように説明する。
「Cortex-A5から大きく拡張された点はデュアルイシューだ。Cortex-A7のデュアルイシューでは、複雑なペナルティチェッ ク機構を持たないように設計した。デュアルイシューが、電力消費を増やしてしまうのは、チェック機構のためだからだ。そのため、Cortex-A7のデュ アルイシューは、Cortex-A8のような完全なデュアルイシューではない。限定されたものとなっている」(Jeff氏)「全てをデュアルイシューでき るわけではない。2つ目のデコーダはデータプロセッシング分岐などしかデコードできない」(Greenhalgh氏)
デュアルイシューを限定することで、命令ユニット回りを簡素化し、電力効率を上げていると言う。だが、Cortex-A8と比べると大きく拡張されている部分もある。下はCortex-A8のパイプラインだ。
Cortex-A8のパイプライン
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Cortex-A7をCortex-A8と比べると、まず、目立つのはSIMD演算のNEONパイプラインがオプション扱いではなく、パ イプラインに完全に取りこまれたことだ。ただし、NEONユニットは64-bit SIMDで、命令セット上のSIMD幅の半分に抑えられたままだ。これは実装面積とのトレードオフだ。
分岐予測も相対的に強化されている。分岐予測を強化すると、予測ミスが減るため、結果として省電力化に役立つとARMは説明する。また、 命令デコーダと命令イシューの間には命令キューが設けられ、デコードまでのフロントエンドのパイプラインが実行パイプラインと分離されている。
ロード/ストアのデータパスは64-bitで、NEONユニットと見合う幅に拡張されている。また、L1データキャッシュには、x86 CPUで見られるようなプリデコーダが加えられた。その一方で、L2キャッシュコントローラを簡素化するなど、ダイを小さく保つための工夫も加えられてい る。メモリ回りでは物理メモリアドレスをキャッシュする「Translation Lookaside Buffer (TLB)」が強化された。TLBについては、上位のはずのCortex-A9が128エントリなのに、Cortex-A7は256エントリと倍増されて いる。「TLBの強化はWebブラウジングのような実ワークロードでの性能を上げる。ドライストーンなどのベンチマークではこの違いは出ないが、現実のア プリケーションでは効果を発揮する」とJeff氏は説明する。
内蔵のL2キャッシュやTLBの強化など L1データキャッシュの改善

●ハイエンドスマートフォンのバッテリ駆動時間を延ばす
Cortex-A7は、命令セットでは最上位のCortex-A15と互換だ。バーチャライゼーション支援や40-bitメモリアドレッ シングといったローエンドに必要がないような機能も実装されている。また、システムバスは最新の「AMBA4」に対応し、コヒーレンシ維持のためのスヌー プコントロールユニットも備える。こうした機能は、Cortex-A15とCortex-A7を組み合わせるbig.LITTLEプロセッシングのための ものだ。
big.LITTLEについては改めてレポートするが、高パフォーマンスであるため電力効率が落ちるCortex-A15を補完するため の仕掛けだ。スマートフォンの稼働時間のほとんどを占める低負荷時に、稼働するCPUコアをCortex-A15からCortex-A7に切り替えること で、バッテリ駆動時間を延ばすことを目指す。
基本のコンセプトは下のスライドのようにシンプルだ。負荷の高い処理はCortex-A15コアを使い、負荷が減るに従って電圧と周波数 を落として行く。そして、一定レベルまでパフォーマンスを落としたら、その段階で、より電力の少ないCortex-A7へと切り替える。
big.LITTLEの仕組み Cortex-A7とA15の性能/消費電力比較
現在の、高パフォーマンススマートフォンの最大の悩みは、バッテリ駆動時間だ。進化する度に、バッテリ駆動時間が短くなる傾向にある。 Cortex-A7は、この問題にも解決策を提示できるとARMは説明する。スマートフォンのSoCには、Cortex-A15に加えてCortex- A7も載せる必要があるが、Cortex-A7のコアサイズが極めて小さいため、現実的なアイデアとなる。
Cotex-A15のブロックダイアグラム
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(2011年 10月 28日)

2011年6月22日水曜日

美少女ゲーム「Rewrite」のイラスト入り自作PCが展示中

恋愛アドベンチャーゲーム「Rewrite」をテーマとしたデスクトップPC筐体やキーボードがPCパーツショップ店頭で展示中だ。
 展示ショップはフェイス 秋葉原本店で、このほかTWOTOP秋葉原本店でも近日中に展示を行う予定という。


前面扉を開けた状態

右側は本来、左側のパーツで隠されている部分

マウス

キーボード

キーボード
展示されているPCは、ユニットコムが今週末のイベントで販売する「Rewrite PC」の前面パネルとキーボード、マウス。
 ケースは前面パネル一式がイラスト仕様になっており、前面扉を開けた内側や、本来開ける部分ではない、前面下部のケース内側までイラスト使用になっているという凝り具合。
 キーボードやマウスもボタン部分までイラスト入り。
 なお、これらのパーツを使ったPCキットは、今週末に開催される「Rewriteパソコン組み立て教室」用の教材として22日(水)一杯まで販売中(79,800円~)。「Rewriteパソコン組み立て教室」には、「Rewrite」のシナリオライター都乃河勇人氏や作曲家の折戸伸治氏も特別講師として登場する予定だ。
 販売受付は22日(水)一杯で一旦終了する予定だが、その後、「限定数に余裕があれば当日販売も行う」(ユニットコム)とのこと。

□Rewrite PC組立教室教材販売!(フェイス)
http://www.faith-go.co.jp/rewrite_pc/
□Rewrite(Key)
http://key.visualarts.gr.jp/rewrite/
□関連記事
【2011年6月25日】週末の自作イベント「PC-DIY EXPO 夏の陣」の詳細が公開 / Intel/AMDなどのセッションや美少女ゲームPCの組立教室も
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110625/etc_unitcom.html
【2011年3月5日】萌えキャラデザインのキーボードが発売、恋愛ゲーム「Rewrite」のキャラクター
http://akiba-pc.watch.impress.co.jp/hotline/20110305/etc_toypla.html